matsumotoryがペパボからいなくなった話

このブログを書き始めたのは8/31で、一夜で語り尽くせないので思いついたときにただただ書いていく。途中で公開してしまったら本当にあれだから、ボタンの押し間違えだけは気をつけたい。

まず近い時間のところから話すと、matsumotoryが夏休みに入る前に二人で飯を食ったときから、そうなるだろうなと思う気持ちはあったけども、その3日後くらいに旅先の本人に決断を聞いてから、1週間位まともに寝付けないくらいにはショックだったんだと思う。普段生きてる分には全然考えないんだけど、眠れなくなったのは多分そういうことなんだろうと思った。心に反して体は正直である。それくらい僕は松本さんと働いて多くの影響を受けた、多くを与えてもらったなと思うし、本当に感謝しかないし、彼自身が次のステップに進んでくれたことにも感謝している。

もともと松本さんが入ってきたのは僕がペパボに入ってしばらくしてからで、

「なんかngx_mruby?作った人が入ってくるらしいよ」

って @linyowsとタイムカードリーダーの前で話したのを今でも覚えている。当時はペパボは全くmrubyとか使ってなかったし、Rubyに関して言えばCRubyコミッターの @hsbt の存在あり、CRubyバリバリだったので、mrubyは全然使ってなかったように思う。

これは時折僕と松本さんがネタのように話す話で、松本さんが社内のSlackでApach httpdの検証をしていて、パフォーマンスのなにかに悩んでるときに

「MaxClientsみたほうがいんじゃないすか?」

的なことを言ったのは最高に今でもクールだなと自分で思う。当時の僕はApache moduleとか存在すら知らないし、mod_mrubyなんて美味しいのそれ?的な感じだったんじゃないかな。 @monochromegane と一緒にムームードメインで何かをやってはバグを生み出し、とにかく手を動かしては失敗し、それでも前へ前へともがいていた時期だったように思う。そのたびに @monochromegane や長田さんが根気強くリカバリしてくれた。

その次に記憶にあるのは僕が初めて社内のエンジニア評価制度でシニア・エンジニアに立候補したとき、東京と福岡をSkypeでつないで当時の技術基盤チーム全員と面談したときの話だ。

当時僕と @hiboma は色々面白いこともあり(面白い話を聞きたい人は入社してください)、技術基盤チームに在籍していた @hiboma と僕が面談であれこれありながらも、なるべく僕の良さを引き出すような話をしてくれた気がするが、結果的にはその時は落選した。2年位経過し、その時の評定に使われたGithub Issueを僕がテックリードになってのでシークレット領域まで見れるようになったので見たら松本さんは☓って書いてて、この人京都の人や!!!!1って思った。冗談はさておき、この出来事も何故か覚えている。8/31はこのへんまで。

ここからは9/28に書き始めた。僕はいまペパボのお産合宿で東京にきている。今日、最終出社だったみたいで、さっきTwitterに投稿されてた。

もうだいぶ社内にも共有されていて、チーフエンジニアがいなくなることで少なからず不安になるメンバーもいたことだろうと思う。

よくそれらについて質問を受けるのだけど、ペパボはホスティングのみならず、EC支援、ハンドメイド支援など多くの商材を持っているいわゆるポートフォリオ経営を行っている会社で、ホスティング専業の会社ではない。その場合に、松本さんの研究や興味が高度になればなるほど、専業ではないことが互いのメリットをすり減らすようになったんじゃないかなと思う。あとは今のペパボは職位が上がれば上がるほど、社のエンジニア育成や組織へのコミットメントが必要なフェーズなのでそれもまた一つのミスマッチの要因になったように思う。

一方で松本さんがいたこの数年でペパボのホスティング事業の技術は大きく引き上げられたし、今では入社数ヶ月のエンジニアが独自のミドルウェアを生み出すようになり、ペパボのエンジニア職位制度における立候補対象の最高職位であるシニア・プリンシパルは福岡に在籍する @udzura と僕であり、@udzuraも僕も松本さんに大きく影響を受けてここまで来ることが出来た。あと1年位やれたら良かったなと思う部分もあるけど、インターネットつながってるし、今後も交流はあるんだろうなと思う。

ここまで書いて、provisionが終わってたから、次またどこかで最後のところ書く。

東京から帰ってきたら9/29に退職エントリ出ましたね。内容自体は概ね伺ってた話だったのですが、さくらインターネットに行かれるので、今後は業界の仲間であり、ビジネスとしてはライバルとなるわけです。

僕は時折、人に対してすごすぎてムカつくとか、絶対倒すと口癖のようにあらゆる人に言っているのだけど、僕はほんとにそう思っていて、積み重ねればいつか絶対勝てると思っていつも自分に期待してる。

それは相手が松本さんであろうと、会ったことのない天才でもあまり変わらないと思う。その時点で相手がいかにすごかろうと、その人との差がわかればそこに対してアプローチしていけるので、僕は今後もそれを続けていきたい。

また今回がそうであったように彼自身もなかなか走ることをやめてくれないのですぐには追いつけないかもしれないのだけど、松本亮介絶対倒す。