コスタリカ戦の失点シーンと、ヒューマンエラー

昨夜はほんとに残念でしたね。でも、ドイツに勝てるということは、スペインにも勝てるかもしれないし、圧倒的に実績が不足しているチームであっても、まれに優位のチームに勝つことがあるというのがサッカーの醍醐味であると思うので、次戦に期待しましょう。また、余談ですが今大会、アルゼンチン、ベルギー、ドイツのような強豪国がやられてしまうケースが結構多くて、もしかすると気候や移動時間との相性、関係性があるのかなぁとかぼんやり考えていました。

さて、昨夜の失点シーンを眺めていて、前職の会社で受けた、ANAが提供するヒューマンエラー対策の研修を思い出しました。

特に印象に残っていて、僕のその後の人生でも大事にしているのがエラーチェーンという言葉です。リンク先から引用します。

事故は1つのエラーのみが原因となり発生することは稀で、いくつものエラー(事象)がチェーンのように連鎖した結果として発生します。
「記憶違い」「うっかりミス」発生した事故に対し、「誰の責任か?」を問うのではなく「どのようにすれば防止できたか?」と問うことが事故防止の基本であり、研修プログラムの骨子です。

https://www.abc.jp/service/anakenshu/he/

これは仕事をする中でもとても大事にしていて、なにか一つが失敗しても、エラーが起きないようにする、クライシスな状況が起きないようにするということは常々意識しています。身近な例だとセキュリティの多層防御の考え方や、例外ハンドリングや、ソフトウェアを用いて人の操作をフェイルセーフにするというのがイメージしやすいと思います。

昨夜の失点のシーンを振り返ってみると、下記のような状態だったと思います。

  1. 吉田選手が森田選手にパスをつなごうとしたが、思ったよりも浮いて、更にずれた
  2. 森田選手が焦ってしまって、滑ってしまった
  3. 伊藤選手のラインの押し上げが遅く、ラインが乱れていたことでオフサイドが取れなかった
  4. 吉田選手にシュートがあたり、軌道、タイミングがずれたことで、権田選手がボールに触れられなかった

このようにいくつかのエラーチェーンが重なって、あのような失点となってしまいました。あのときに、

  • 吉田選手のパスがずれなければ
  • 森田選手が滑らずに1対1で前を向いて応対すれば
  • 伊藤選手がラインを押し上げていれば
  • 吉田選手の体にボールが当たらなければ

このような事象の一つでも起きれば、エラーチェーンが断ち切られて、あの失点は起こらなかったかもしれません。

昨夜の敗戦は、とても受け入れがたいものでしたが、ここから学び、我々もエラーチェーンを断ち切ることで、前を向いて、次のスペイン戦に向けていい準備をしていきましょう。