おかげさまで10年働かせてもらいました。
振り返れば、前職のQtnetで働いているときに、当時の委託先に所属していた森本さんというエンジニアが、Perlを書いているのを見て、完全にビビッときてしまい、プログラマを目指したのがきっかけだった。
それからPerlのオライリー本や、牧さんの書いたモダンPerlを読みあさったり、当時Qtnetのフットサルチームの練習日を決めるアプリとしてコントローラーにすべてのロジックが載っているRailsアプリケーションを書いたりしていた。
その後、いくつかの会社を選考を受けたが、コードをかけると言い張っても、すぐに見抜かれてしまいうまくいかず、最後に当時住んでた家から一番近くて自社サービスやっていたペパボに応募したところ、潜り込むことが出来て、それから10年です。
ペパボでは、面接に行くとビーサン履いた英輔さんが面接官で出てきて、これがWEB業界のノリ!!とか思ったり、Rubyコミッターのhsbtさんが書いたGemをリファクタリングと称してまるっとダサく書き直したのにマージしてもらったり、最初のメンターだったうっちーが
「ペパボにはすごい人がいっぱいいて、Rubyコミッターの柴田さんや、いとうなおやさんの弟でカーネルに詳しいひぼまさんっていうひとがいて〜」
みたいな話を、当時WEB業界全く知らない僕に対して入社オリエンテーションで展開したときは、これがWEB系エンジニアのノリ!!??とか思ったけど、それもいい思い出です。
ペパボではホスティング事業のドメインサービスのバックエンドサービスから担当させてもらったのだが、そこで一緒に働いていた三宅さんとも、もう10年ですね。親の顔より見たかもしれません。
その後は、松本さんやうっちー、小山さんと日々あーでもない、こーでもないといいながらサービス開発をしたり、家に帰ってからも深夜、朝までGitHubでやり取りしてた日々も懐かしいです。
技術基盤チームでは技術的な課題を解決するために、いろいろなソフトウェア、仕組みを作ったり、パフォーマンスの問題を解決してきました。ここではこれまで関わらなかった多くのメンバーと協業する時間があり、そこでも多くのことを学ばせてもらったなと思います。
また、今の奥さんと結婚する前の僕は、ハレーションが起きることもいとわず、自分の正義を投げ、相手にもそうあってほしいと思うようなことが多かったですし、社内外にいるエンジニアより優れたなにかになりたいと、生き急いでいた部分もあったと思います。しかし、結婚してからというもの、正義はすべてを解決するわけではないということ、仕事やエンジニアリングだけがすべてじゃないことを学びました。
そんな僕を受け入れてくれた人々がペパボにはたくさんいて、今では休みの日に旅行したり、キャンプしたり、ご飯食べたり、同僚という関係を越える、友人がたくさんできました。
そんな機会をくれたペパボには感謝してもしきれません。
ここからは、なぜ退職するのかについて少し触れたいと思います。
理由としては大きく2点あって、1つ目は10年という時間は会社のコンテキストを学び、積み重ねるにはとても長く、最近では社内で自分が色々なことができるのは自身が秀でているのか、それとも社歴が長いから人より何かができるのか自分でも曖昧になってきたことです。社内で優秀なふりをしているのはそれはそれでいいのかもしれませんが、世の中にはもっと優れたエンジニアがいることを知っています。
2つ目は会社の今の状況と自分のスキル、やりたいことを考えたときに、自身が情熱を持って取り組めるような課題がなかなか見つけられなくなってきたことです。これは僕の力不足もあり、技術的なトライをできる余白を僕自身が見つけきれなくなってきました。
ゆえに退職することにしたのと、次は自分自身が日々使うようなサービスでドッグフーディングしながら、社会にとってインパクトのある仕事をしたいと思って、新しい会社に行くことにしました。
新しい会社を探すにあたり、数社受けたのですが、そこでもペパボのアウトプットするという文化が僕を助けてくれました。これまでの登壇の経歴や、開発しているOSSが僕を表すもう一つの顔となってくれたので、ほとんどマッチングを双方確かめるような選考になりました。選考に関わってくださった方々も本当にいい人ばかりで、話を聞くだけで勉強になりましたし、お時間を頂いて大変感謝しています。
話はペパボに戻りますが、この10年でペパボという会社もずいぶん変わったと思います。昨今では先に述べたアウトプットするという文化も、少しずつ形を変えてきたようにも感じており、また次の世代が新しい文化を紡いでいくことと思います。
僕自身も彼女、彼らに負けないよう、新天地でもぶちかましてやろうかなと思っています。
今後もインターネットやカンファレンス、GitHubで会うことになるのでお別れはいいません。
また会いましょう、See you when I see you.
あとがき
この記事はYAPC函館の出発前日に寝床についたら急に文章が降ってきてしまい、1時に布団に入ったのに、寝るのを諦め朝4時頃に書き始めました。この10年で得た、もう一つのかけがえのないものとして、コミュニティ、またそこで出会った人々の存在があります。Perl、PHP、Go、SRE、Cloud Nativeの技術を支え、国内で盛り上げている素晴らしい方々と多く知り合えることができました。時には社外のライバル、または尊敬するエンジニアとして日々刺激をもらっています。これは会社が変わっても変わらず続くものと思うので、今後もよろしくお願いします。
ちなみに最後のSee you when I see youは、オーシャンズ13でオーシャンズが1人、また1人と去るときに、確かマット・デイモンが言ったセリフです。
お別れ言ってるやんけと思ってしまい、ついつい門出になにか送りたくなった方は、渾身の欲しいものリストから応援していただけると大変に喜びます。